POWER BUYは、800ブランド・2万点を超える製品を扱うタイで有名な家電量販店である。ここでは、多様な製品群を直感的に体験できる設計を行なった。空間は、Apple製品を中心とした小型家電、冷蔵庫や洗濯機などの白物家電、テレビを中心とした黒物家電の3つのゾーンに大別され、それぞれのプロダクト特性に呼応するデザインとなっている。小型家電のゾーンは、建築のフォルムに沿って円形にレイアウトされており、その中心にApple製品を集約し、周囲にはスピーカーやヘッドフォンなどの関連プロダクトを放射状に展開することで、製品同士の連動性や拡張性が直感的に読み取れる空間構成としている。白物家電のゾーンでは、製品がもつ清潔さや機能性を空間そのもので体現するため、白を基調としたフラットな光、製品メカニズムを想起させる金属の大胆なフォルムによって商品群を包み込み、製品の効果や存在感を空間的に増幅させる構成としている。黒物家電のゾーンは、テレビや映像機器がもつ没入感を最大限に引き出すため、空間全体をブラックアウトし、映像だけが浮かび上がる環境を構築している。木天井は、商品が置かれる場を静かに示唆しながら、沈静した空間の中に柔らかな気配をつくり出している。各ゾーンは明確なコンセプトを持ちつつも、動線や素材の連続性によって緩やかに接続されており、来店者は意識することなくプロダクトの世界を横断しながら、生活とテクノロジーが交差する場を体験していく。
2024
クライアント : POWER BUY CO., LTD.
写真 : Peerapat Wimolrungkarat